
■相続税の申告を適切に行わないとペナルティで納税額が増える
相続税の申告が適切に行われない場合、加算税というペナルティや遅延税が課されます。
加算税には過少申告加算税、無申告加算税、重加算税などがあります。
このうち悪質なごまかしや隠蔽があれば脱税の疑いありとみなされ、非常に重い重加算税のペナルティが課せられるので、必ず適切な申告を行うようにしましょう。
■過少申告加算税と無申告加算税
加算税のうち、過少申告加算税は、申告した金額が不足していた場合に加算されるものです。
無申告加算税は、決められた期限(10か月)までにしなかった場合に加算されるものです。
また、申告では期限が過ぎると経過した日数分の利息金が発生する遅延税も課税されます。
■重加算税はどんな場合か?
重加算税が課せられるのは、相続した遺産を故意に隠したり、偽りの申告をしたりした場合です。
加算の割合は、申告書を提出している場合と、提出していない場合によって異なります。
まず、申告書を提出している場合は、原則として35%の加算となります。
申告期限内に申告したけれど、相続した遺産の一部を敢えて記載しない、書類を偽造するなど虚偽の申告を行った場合です。
なお、過去5年以内に無申告加算税か重加算税が課されている場合は、さらに10%が加算され45%になります。
申告期限を過ぎても申告していない場合は、原則として40%の加算税が課せられます。
相続税を申告しなければならないのに、それを隠して申告しなかった場合などです。このような場合の加算のことを、無申告の重加算税といいます。
こちらの場合も、過去5年以内に無申告加算税か重加算税が課せられていれば、さらに10%が加算され、50%と非常に重い税率が課せられます。
では、具体的にどのような行為が重加算税の対象となるのでしょうか。国税庁の指針によると、主につぎの5つの事例が対象となるようです。
1つ目は、財産に関する書類の改ざんや偽造など。
2つ目は、相続した財産の隠蔽や、虚偽による財産の過小評価。
3つ目は、取引先などに帳簿書類の改ざんや偽造、隠匿などを強要していること。
4つ目は、相続人側が嘘をついて、取引先などに虚偽の受け答えを行わせていること。
また、その他の事実関係なども勘案して、財産を隠匿していると判断できること。
5つ目は、相続人側が被相続人の隠し財産や遠隔の土地、架空の債務であることを知っていながら、それを認識していないと偽って申告していることです。
■まとめ
35%や40%の重加算税は、とても重い負担です。
自分ではそんなつもりがなくても、申告をきちんと行わなかったばかりに、隠蔽とみなされて重加算税が課せられるケースもあります。注意しましょう。
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