遺産相続を放棄してもらう際のハンコ代とお礼の手紙について

遺産を相続放棄してもらう際、放棄してもらった方にお礼としてハンコ代というお礼金の支払いと、相続完了後のお手紙を書くことが一般的とされています。

「ハンコ代の相場」「支払う際の注意点」「手紙の文例」など、分かりやすく解説していきます。

ぜひご参考になさってください。

相続放棄の基礎知識をまとめた記事はこちらです。
相続放棄とは~遺産は相続しなくても良い~

相続に不安がある、専門家へ相談したいという方はこちらの記事が参考になります。
相続の相談はどこにする?弁護士・税理士・司法書士の正しい選び方

ハンコ代とは?

ハンコ代とは相続放棄のお礼で支払う金銭のこと

相続におけるハンコ代とは、遺産分割協議書に署名や捺印をしてくれる方に支払うお金のことです。

一般的に、複数の相続人がいる相続の場合、遺言書がない際には遺産分割協議によって、それぞれの相続人の相続分を決定します。

遺産分割協議では、通常、法定相続分をベースに行われ、最終的にはそれぞれの相続人の主張を調整します。

ハンコ代を交わすことで同意の証明になる

ハンコ代の支払いは、この遺産分割協議書の内容が、相続放棄などのように、法定相続分とは異なる遺産分割を認めてもらう際に発生します。

遺産分割協議書に署名や捺印をすることは、協議内容に異議がないことを証明するとても大切な意味を持っています。

遺産分割協議書の詳細についてはこちらをご覧ください。
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書について(法務局に提出する場合とは)

ハンコ代の相場と支払う際の注意点

相場は10万円~法定相続分の半額

遺産の放棄を自分以外の相続人にお願いする場合、書類に捺印してもらうお願いの意味をこめてハンコ代を支払います。

相続人同士の関係や事情はさまざまのため、ハンコ代にはこれといった相場がなく、相手との交渉次第でその金額は変化していきます。

しかし一般的には、10万円から30万程度の心付け程度の金額から法定相続分の半分程度くらいが妥当とされています。

また、ハンコ代を支払う際には、代償分割を利用することをおすすめします。

代償分割の注意点を以下記事にまとめました。
代償金と支払う際の遺産分割協議書の注意点

ハンコ代の支払いは代償分割の利用をしましょう

代償分割とは

遺産分割協議書に自分の以外の相続人に金銭を支払った上で、相続を放棄してもらう旨と、支払う金額を記載し、遺産を分割する方法です。

この方法をとれば、ハンコ代が110万円を超えた場合でも贈与税がかからない他、相手に家庭裁判所で相続放棄の手続きをしてもらう必要がないというメリットがあります。

詳しくは弁護士・税理士へ質問するのが良いでしょう。

以下の記事で弁護士・税理士の選び方をご紹介しています。参考にして下さい。
相続の相談はどこにする?弁護士・税理士・司法書士の正しい選び方

遺産相続完了の報告・お礼の手紙について

放棄してくれた人へ報告を兼ねたお礼の手紙を送る

遺産相続が無事に終了した時は、遺産を放棄してくれたその他の相続人の方に、報告とお礼の手紙を送る方も多いと思います。

しかし、いざその時が来ると、手紙の内容をどうしようか悩んでしまう方がたくさんいます。

お礼の手紙は簡潔に書く

この場合の手紙は、簡潔に、最低限の文章で丁寧に書くことがポイントです。

変に感謝しすぎたり、長文にしてしまうと、相手を困らせてしまう場合があるので、きちんとした書式を用いた上でスマートに終わらせるようにしましょう。

お礼の手紙(文例)

相続放棄をして頂いた方に向けたお礼の手紙について、文例を記載します。参考までにどうぞ。

〇〇〇〇 様

拝啓
このたびは亡祖父の件で、大変お世話になりました。
相続の件に関しまして、手続が無事に完了いたしましたことを、謹んでご報告させていただきます。有難うございました。
敬具

さいごに

遺産相続は相続人同士で納得し、完全な合意のもとで行われます。

自分以外の相続人に遺産を放棄してもらう際の手続きは、自分のためだけでなく、協力してくれた他の相続人に対しても誠実に対応することで余計なトラブルを回避することができるでしょう。

相続トラブル回避のための相談先の選び方をご紹介しています。
相続の相談はどこにする?弁護士・税理士・司法書士の正しい選び方

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弁護士・税理士・司法書士の正しい選び方

下記1つでも当てはまる方に、役立つ内容を記事にまとめました!

  • ●相続の相談を誰にしたら良いか分からない
  • ●弁護士、税理士、司法書士だれに相談すべきか分からない
  • ●相続税の相談はどんな税理士を選んだら良い?
  • ●各専門家はどうやって選んだら良いのか分からない
  • ●相続相談サービスはどれを使うのが良い?

相続の相談を誰にしたら良いのか、選ぶ基準などをまとめています。
専門家選びで失敗する前に参考にして頂ければ幸いです。

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