離婚した妻の相続権はどうなる?その子供は?

民法上の相続では、被相続人の遺産は配偶者・子供・父母・祖父母・兄弟姉妹のような優先順位で分割されていきます。
特に配偶者は遺産分割の割合が多く、どのような相続でも必ず相続人に含まれる存在です。
被相続人と離婚をした妻や子供の相続権はどうなるのでしょうか?

この記事では離婚した夫婦とその子供の相続権について、分かりやすく解説していきます。

相続に不安がある、専門家へ相談したいという方はこちらの記事が参考になります。
相続の相談はどこにする?弁護士・税理士・司法書士の正しい選び方

相続人の優先順位とは?

相続を得る権利には順番が存在し、最も優先されるのは被相続人の配偶者です。例えば被相続人に妻と子供が2人いる場合、夫の財産の半分が配偶者のものになり、残りの半分を子供が2人で分割します。

つまり、配偶者が受け取る遺産は1/2、二人の子供が受け取る遺産はそれぞれ1/4です。遺産が1,000万円あった場合は、妻が500万円、2人の子供は250万円ずつの遺産を受け取ります。配偶者が受け取る遺産は、その他の相続人に比べて多くなるように設定されているのです。

離婚した配偶者の相続権はどうなる?

配偶者は最優先される相続人であることをお伝えしましたが、配偶者と離婚をした場合の相続権はどうなるのでしょうか?

離婚した配偶者の相続権は失われる

相続権は、戸籍上の配偶者にしか適用されません。そのため、離婚をした配偶者は被相続人の遺産を相続できなくなります。同様に、内縁関係の恋人も相続権を持っておらず、相続に関しては、戸籍上の関係性が重要視されるということが分かります。

そのため、再婚して新しい配偶者がいる被相続人の遺産が、元の配偶者に渡ることはありません。また、被相続人が再婚をせずに他の相続人が誰もいないような身寄りのない状況であったとしても、離婚した配偶者に相続権が行くことはないのです。

離婚後の子供の相続権はどうなる?

離婚によって配偶者は相続権を失いますが、その子供の相続権はどうなるのでしょうか?

離婚しても被相続人の子供には相続権が残る

両親が離婚をしても、被相続人の子供には相続権が残ります。例え離婚後に一度も被相続人と子供が会っていないような絶縁状態の場合でも、子供は被相続人の遺産を相続する権利を所持しているのです。

ただし、被相続人が相続廃除の制度を使い、生前に家庭裁判にて特定の相続人から相続権を略奪した時・遺言書によって相続廃除が指示されていた時には、基本的な相続のルールに関係なく、実子であっても相続権を失う可能性があります。

再婚後に生まれた子供と相続の優先順位は同じ

被相続人が再婚して再婚相手との間に子供ができている場合でも、前の配偶者との間の子供との相続の優先順位は変わりません。民法上は離婚の有無に関係なく「被相続人の子供」として扱われるためです。

そのため、被相続人に1,000万円の遺産があり、再婚相手に子供が1人、元の配偶者に子供が1人いる時には、再婚相手が受け取る遺産が500万円、子供たちはどちらの子供も250万円ずつを受け取ります。

生活を共にする再婚相手との子供と、場合によっては何年も会っていないような離婚した配偶者との子供が、同額の遺産を受け取ることに違和感を感じる方もいるでしょう。

再婚相手の連れ子に相続権はある?

離婚をしても子供の相続権に変更はないことを説明しましたが、再婚相手に連れ子がいた場合、その子供にも相続権が委ねられるのでしょうか?

連れ子には相続権がない

再婚相手の連れ子は法律上の親族にはなりません。そのため相続人に連れ子を含めたい場合には、養子縁組をしておく必要があるでしょう。

養子縁組を行っておけば、相続の優先順位は実子と同じ扱いになります。

離婚をした妻が遺産を相続する方法とは?

離婚をした配偶者は相続権を失うとお伝えしましたが、必ずしも遺産を受け取れないというわけではありません。

遺言書によって遺贈される場合

被相続人が遺言書を使って元配偶者を相続人に指定した場合は、離婚の有無に関係なく遺産を引き継ぐことができます。逆に考えると「再婚相手に全ての遺産を相続させる」など、遺言書で一人の相続人が指定された時には、子供の相続権が失われる恐れがあるでしょう。

正式な遺言書があれば、被相続人の希望通りに相続を進められます。相続争いが想定されているのなら、遺言書を作成しておくべきでしょう。

まとめ:離婚した妻の相続権はどうなる?その子供は?

いかがでしたか?離婚した妻には一切の相続権がなくなり、被相続人の遺産を相続できません。しかし、離婚の事実に関係なく、被相続人の子供には相続権が残り、配偶者が再婚しても変わらない相続の優先順位が維持されることを知っておきましょう。

また、離婚後の再婚では再婚相手の連れ子の相続権や、自分が亡くなった後の相続相手について十分検討しておく必要があります。

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