
遺産相続という手続きは、一生のうちで何度も経験するものではありません。
そのため、弁護士や司法書士などの専門家がいないとトラブルも起こりやすくなります。
実際に起こった遺産相続のトラブルの体験談を教訓にして、遺産相続を回避するためのポイントを考えましょう。
相続に不安がある、専門家へ相談したいという方はこちらの記事が参考になります。
相続の相談はどこにする?弁護士・税理士・司法書士の正しい選び方
相続トラブル例)親と同居していた長子がすべての遺産を相続すると主張
戦前の日本では、親が亡くなった時に長子がその財産を単独ですべて相続する「長子単独相続制」が存在していました。
戦後になって、子供一人一人が同じ割合で相続することができる「緒子均分相続制」が施行され、現在に至っています。
とはいえ、未だに「親の面倒を見た長子がすべての遺産を相続するのが当たり前」と考えている人がいます。
実家で暮らす長子が家や山林、畑といった不動産から預貯金に至るまで、全財産の相続を主張した結果、兄弟姉妹とトラブルになるという事案は今でも多いのです。
1例として、親の介護を担った長子が遺産を独り占めするために相続放棄をするよう他の法定相続人に迫ったというケースを考えましょう。
当然ながら、他の兄弟姉妹は納得できず相続放棄を拒否し、長子と他の兄弟姉妹とで対立構造となりました。
遺産分割協議書への署名捺印を巡り話し合いが行われる
長子以外の兄弟姉妹は、相続放棄の手続きや、長子が一方的に作成した遺産分割協議書への署名捺印を拒否し、話し合いによる和解を探りました。
それでも、長子の主張は変わらず、さらに弁護士を雇って一歩も譲らない態度を示し続けました。
話し合いの結果、住宅や山林といった不動産は長子が相続し、現金・預貯金およびすぐに現金化できる財産は兄弟姉妹で均等に分けることになりました。
そこで新たな問題となったのは、長子の子供が被相続人の養子となっており、相続権を有していたという点でした。
相続トラブルの結末
最終的に、遺産相続のエキスパートである弁護士からの提案を他の兄弟姉妹は受け入れざるを得なくなりました。
結果として、被相続人の所有していたほとんどの財産を長子一家が相続することになったのです。
このトラブルから得られる教訓は、「専門家のサポートを得る重要性」でしょう。
また、被相続人となる親には、元気なうちに子供たちと忌憚のない話し合いをしておくこと、および家族としての合意事項を法的な文書として作成しておくことが求められます。
こうした事前の準備をしておくことで、相続によるトラブルのリスクを大幅に下げることができるのです。
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