相続定期預金とは、相続の発生により相続人が受け取る資金を原資として作る定期預金のことを指しています。
地方銀行・信用金庫・労働金庫などで取り扱いがあり、金融機関によってサービス名称や内容が変わります。
今回は、相続定期預金のメリットとデメリットについて、分かりやすく説明しましょう。
相続に不安がある、専門家へ相談したいという方はこちらの記事が参考になります。
相続の相談はどこにする?弁護士・税理士・司法書士の正しい選び方
相続定期預金とは
冒頭でもお伝えしたように、相続定期預金とは相続で発生した財産が対象の定期預金のことです。
本来金融機関で扱う預金に「どうやって手に入れたお金か」は確認されませんが、相続定期預金では相続で得たお金のみが預け入れ対象となります。
通常の定期預金よりも高い利率で資産を運用できるという特徴があり、相続した財産が不動産・有価証券・美術品などであった場合は、該当の財産を売却したお金も相続定期預金に預け入れることができます。
相続定期預金の預け入れ期間
相続定期預金の預け入れ期間は金融機関によって変わりますが、多くの場合は被相続人の死亡日か相続手続きが完了した日から、1年以内が預け入れ開始までの期間として設定されており、預け入れ期間自体は3ヶ月・6ヶ月・1年・3年などから自由に選択可能です。
もちろん、預け入れ期間が長くなるほど金利が高くなります。
預け入れ可能な金額
預け入れ可能な金額の最低額は100万円と設定している金融機関が多く、上限が設定されている場合もあります。
金利優遇
相続定期預金では「通常金利+○%」という形で金利が上乗せされるパターンが多く、預け入れ期間に合わせて固定金利を設けている場合もあります。預け入れ期間終了後は金利の見直し後に預金の継続が可能です。
相続定期預金のメリット
相続定期預金を利用することで得られるメリットは次のようなものです。
相続定期預金のメリット①優遇金利でお金を預けられる
相続定期預金の最大のメリットは、優遇金利で定期預金が作れることです。定期預金の通常金利は0.01%程度と非常に低く、利息でメリットが得られる方は限られます。
相続定期預金であれば、通常金利の0.1〜0.5%以上金利が上乗せされる金融機関もあるでしょう。相続した財産で資産運用を始めたいけれど、リスクは避けたいという方におすすめです。
相続定期預金のメリット②相続した財産を安全に管理できる
財産を相続した方の多くは、突然まとまったお金を手にする場合が多いです。使い道が定まらない・使い道をよく考えたい時に相続定期預金を使えば、安全にお金を管理できるでしょう。
手元に大金を置いておく・普通貯金に入れるのと違い、一定期間はお金が引き落としにくくなることから、じっくり今後の相続財産の使い道について考えられます。
相続があった事実を知った知人や親族からの依頼や誘惑も断ち切りやすいでしょう。
相続定期預金のデメリット
相続定期預金にはメリットだけでなくデメリットも存在します。メリットデメリットの両方を知った上で利用を検討してみましょう。
相続定期預金のデメリット①気軽に引き出しはできない
相続定期預金は原則として設定した満期までは預金を引き落とせません。金融機関によっては一部解約・中途解約が可能ですが、受け取る利息は普通預金の金利よりも低くなるでしょう。
せっかく相続定期預金を使ったのに、受け取れる利息が大幅に減ってしまうということです。また、普通預金の引き落としに比べて、手続きにも時間がかかります。
相続定期預金のデメリット②申し込みに手間かかかる
相続定期預金はその性質上、申し込みが複雑になる傾向があります。相続手続き時と同じ金融機関を利用すると、スムーズに書類作成や提出が進められますが、そうでない場合は相続人が書類集めをしなくてはいけないでしょう。
相続定期預金のデメリット③金利優遇期間が短い
金融機関によっては相続定期預金に用意された金利優遇期間が短いケースも多いです。
優遇期間が短ければ、多額の相続でない限りは得られる利息が少なくなるでしょう。
金利優遇期間については、パンフレットなどに小さく記載されている場合もあるため、金融機関を比較する際に注意が必要です。
まとめ:相続定期預金のメリット・デメリットとは?
いかがでしたか?今回の内容としては、相続定期預金のメリットには
・優遇金利でお金を預けられる
・相続した財産を安全に保管できる
相続定期預金のデメリットには
・気軽に引き出しはできない
・申し込みに手間かかかる
・金利優遇期間が短い
などがあることをお伝えしました。相続定期預金を活用するべきかどうかは、自分が相続する金額・利用可能な金融機関に用意されたサービス内容などによって大きく変わるでしょう。
最適なプランが見つかれば、普通預金に比べて多くの利息が手に入るため、相続の予定があるのなら、事前に対象の金融機関を探しておくのもおすすめです。
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